ワクチン

ワクチンで予防できる病気は以下のものがあります。いずれも特効薬はなく致死的な病気が含まれます。子犬の時は2~3回,成犬は年1回接種して確実な免疫を得るようにしましょう。基本となるワクチンは6種です。いろいろな所へ連れて行ったり、不特定多数のワンちゃんが出入りするドックランや大きな公園によくいく場合は10種も選択できます。当院では安全性の高いワクチンを使用しておりますがまれにアレルギーなどの副反応が起きることがあります。 たくさんの種類が入っていればその可能性も増えますので獣医師と相談の上選択しましょう。

犬ジステンパー

高熱、目ヤニ、クシャミ、下痢、嘔吐、ケイレンなどをおこす非常に致死率の高いウイルス疾患。

犬パルボ感染症

発熱、嘔吐、血便、脱水をおこす非常に致死率の高いウイルス疾患。
通常の消毒液では効かないため、伝染力が強い。

犬伝染性肝炎

高熱、肝障害、黄疸、目が白くなる。重症になると死亡することも。

犬コロナウイルス感染症

下痢、嘔吐、子犬では重症化。

犬伝染性喉頭気管炎

発熱、咳、くしゃみ、こじらせると肺炎や衰弱をおこす。

犬パラインフルエンザ

鼻水、咳、くしゃみ、こじらせると肺炎や衰弱をおこす。

レプトスピラ症(10種ワクチンに含まれます。)

腎炎や肝炎を引き起こし、人間にも感染します。沼や下水、ドブネズミの尿、保菌犬の尿などから感染します。レプトスピラの代表的な4菌種に対応したワクチンを使用しています。

フィラリア予防について

犬フィラリア症とは

蚊に刺されることによって、感染する心臓から肺動脈に寄生する、そうめんの様な形の寄生虫による病気です。 フィラリアに感染すると初期には無症状ですが、時間と共に肺動脈塞栓(血流が阻害される)が進行し、咳、喀血、心不全、肝硬変、腎不全と言った多臓器不全引き起こし最終的には死に至る病気です。
最近では予防が簡単に出来るようになり、寄生犬が減ってきていますが、予防している犬は全体の50%程度(全国平均)でまだまだフィラリア症が根絶されるのは無理のようです。
また、一匹の犬に寄生する虫の数も少なくなって来ていますが、その分発症する時期が遅くなり飼い主さんが気がつく時には手遅れになってることも少なくありません。

フィラリア

フィラリア予防とは

まず血液検査によってフィラリアの感染の有無を確かめます。 感染に気づかずに予防薬を投与した場合、死亡する可能性もありますので毎年必ず予防薬投与前に検査を受けて下さい。 毎年、蚊の発生後1ヶ月から蚊が発生しなくなるまでの間(5月中~12月中まで)、月に1度予防薬を内服させます。 そのほか注射による方法や、滴下式による方法などありますが詳しくはご相談下さい。

フィラリア

フィラリアの治療

治療は注射で成虫を殺虫する方法、外科的に摘出する方法がありますが、予防に比べて遙かに患犬に負担がかかり、リスクもかかります。 進行している場合は虫を捕りだしても病態の改善は望めません。

ノミやダニの対策

ノミは野外に出る動物であれば、寄生を受けます。また人間が運んでしまうこともあります。 野外では気温の高い季節がピークとなりますが、室内では冬でも増える場合があります。 最初の数匹が数週間後には何百匹と増える可能性があり、アレルギー性皮膚炎やサナダムシの原因になったりします。人間でも皮膚炎をおこすことも。
(写真は犬のノミアレルギー性皮膚炎)

犬のノミアレルギー性皮膚炎
ノミの拡大図

ダニは草むらなどに生息し、そばを通る動物に寄生します。皮膚に食い込み吸血するとアズキ大になります。 ダニは咬まれると痛いだけでなく、人間やワンちゃんに伝染病を媒介することもあります。
犬ではバベシア症(血液寄生原虫の一種)が代表的ですが以前はほとんど関西以西でしか発生がありませんでしたが最近は全国でも発生しています。 人でも昨年SFTSで亡くなった方がおられましたがウイルスを持つダニは関東にも見つかり、全国的に広がる懸念がもたれています。 ダニから感染した犬から人に伝染した報告があります。
(写真はノミの拡大図)

ワンちゃんのノミやダニ対策としては当院では“フロントライン”(日本全薬工業k.k.)をメインに処方しております。また内服タイプのものを使うこともあります。 スーパーやペットショップで類似品が売られておりますが、かなり効果が落ちるようです。 散歩の後のブラッシングもお勧めします。皮膚に食い込んでいたらご来院ください。
(写真は産卵するダニ)

産卵するダニ
バベシア症の発生状況

忘れないでください。
犬バベシア症は死に至る病気です。

バベシアは西日本に多い病気でしたが、現在では東日本へ拡大してきています。もう他人事ではありません。
予防が大切です。

狂犬病予防

狂犬病予防って、犬だけの病気?

いいえ!!
人間を含む全ての哺乳類に伝染し、発症したら治療をしても ほぼ100%死亡!!

哺乳類とは人間、犬、猫、牛、馬、ネズミなどのヘソを持つ動物です。

主要な狂犬病伝播動物は犬およびコウモリです。
日本でも、飼育犬への狂犬病の予防接種が重要です。
海外旅行に出かけた際には、動物に不用意に触ることは避けましょう。

狂犬病

狂犬病

2004年には、世界で約55,000名が狂犬病により命を落としました。 そのうち、約31,000名はアジアでの死者でした。(WHO報告)

西東京市獣医師会

ワンちゃんの年間予防スケジュール表

ワンちゃんの年間予防スケジュール表

この表を参考に正しく予防してあげましょう。